【歳時記・夏】 お花畠・お花畑 おはなばたけ
お花畠・お花畑 おはなばたけ
〈傍題〉
なし
お花畑・お花畠(おはなばた)と読むことも。雪解けを迎えた短い夏の間に、2,500m以上の高山地帯で一斉に花が開いているところをさす。「お」を付けない「花畠・花畠」は秋の草花のことをいう。
〈比較〉
【歳時記・秋】 草の花 くさのはな
【歳時記・秋】 花野 はなの
【歳時記・秋】 花畑・花園 はなばたけ・はなぞの
〈例句〉
雲うすく夏翳にじむお花畑 蛇笏
(くもうすく なつかげにじむ おはなばた)
大空に長き能登ありお花畑 青畝
(おほぞらに ながきのとあり おはなばた)
岩襖お花畑を裾に曳き 蓼汀
(いはぶすま おはなばたけを すそにひき)
お花畑霧が消しては日が描く 蓼汀
(おはなばた きりがけしては ひがゑがく)
空へ消えゆく人を見てお花畠 三七子
(そらへきえゆくひとをみて おはなばた)
湖ひとつ奈落にひかりお花畠 草泊
(うみひとつ ならくにひかり おはなばた)
〈参考資料〉
・飯田龍太、稲畑汀子ほか 『カラー版 新日本大歳時記 愛蔵版』 講談社
・稲畑汀子 『ホトトギス新歳時記 第三版』 三省堂
・飯田蛇笏、富安風生ほか 『平凡社俳句歳時記 夏』 平凡社
・茨木和生、宇多喜代子ほか 『新版 角川俳句大歳時記 夏』 KADOKAWA