【歳時記・秋】 宵闇 よいやみ(よひやみ)

最終更新日

宵闇 よいやみ(よひやみ)

〈傍題〉

なし

一般的には、夕やみをさす。

季語としては、月の出の遅い陰暦二十日以降の、日が沈んでから月が出るまでの闇。

〈比較〉

【歳時記・秋】 秋の夜 あきのよ
【歳時記・秋】 夜長 よなが

〈例句〉

宵闇の裏門を出る使かな 虚子
(よひやみの うらもんをでる つかひかな)

宵闇の水うごきたる落葉かな 水巴
(よひやみの みづうごきたる おちばかな)

宵闇に臥て金星に見まもらる 草城
(よひやみに ねてきんせいに みまもらる)

宵闇の牛の温みとすれちがふ 加賀
(よひやみの うしのぬくみと すれちがふ)

よひやみに火袋深き木の間かな 鬼貫
(よひやみに ひぶくろふかき このまかな)

宵闇や霧のけしきに鳴海潟 其角
(よひやみや きりのけしきに なるみがた)

宵闇のどこまでを西陣といふ 裕明
(よひやみの どこまでを にしぢんといふ)

〈参考資料〉

・飯田龍太、稲畑汀子ほか 『カラー版 新日本大歳時記 愛蔵版』 講談社
・稲畑汀子 『ホトトギス新歳時記 第三版』 三省堂
・飯田蛇笏、富安風生ほか 『平凡社俳句歳時記 秋』 平凡社
・茨木和生、宇多喜代子ほか 『新版 角川俳句大歳時記 秋』 KADOKAWA
・新村出 『広辞苑 第7版 普通版』 岩波書店

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