【歳時記・夏】 炎暑 えんしょ

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太陽の照りつける海辺の写真

炎暑 えんしよ

〈傍題〉

炎熱 えんねつ

晩夏の燃えるような暑さをいい、厳しい暑さに加えて、太陽の視覚的な眩しさも本意として含む季語とされる。
炎暑は時候の季語で消息文の用語としても使われるが、似た季語で「炎天」となると、時候ではなく天文の季語に分類される。

〈比較〉

【歳時記・夏】 炎天 えんてん

〈例句〉

炎熱や勝利の如き地の明るさ 草田男
(えんねつや しようりのごとき ちのあかるさ)

牛の身の山越えてゆく炎暑かな 信子
(うしのみの やまこえてゆく えんしよかな)

薬草の湯に子を浸す炎暑かな 甲子雄
(やくさうの ゆにこをひたす えんしよかな)

馬を見よ炎暑の馬の影を見よ 多映
(うまをみよ えんしよのうまの かげをみよ)

城跡といへど炎暑の石ひとつ あまり
(しろあと(じやうせき)と いへどえんしよの いしひとつ) 

八ツ橋に釘の浮きたつ炎暑かな 志津子
(やつはしに くぎのうきたつ えんしよかな)

ジーンズの膝の大穴炎暑来る 笑子
(じーんずの ひざのおほあな えんしよくる)

雲水の蛇口むさぼる炎暑かな 力丈
(うんすいの じやぐちむさぼる えんしよかな)

〈参考資料〉

・飯田龍太、稲畑汀子ほか 『カラー版 新日本大歳時記 愛蔵版』 講談社
・飯田蛇笏、富安風生ほか 『平凡社俳句歳時記 夏』 平凡社
・茨木和生、宇多喜代子ほか 『新版 角川俳句大歳時記 夏』 KADOKAWA

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