【歳時記・夏】 七月 しちがつ(しちぐわつ)
七月 しちがつ(しちぐわつ)
〈傍題〉
なし
晩夏にあたる。
中旬頃に梅雨が明けるとにわかに気温が上昇して、本格的な暑さが訪れる。
真夏日や猛暑日、熱帯夜となる日もあり、避暑や夏休みのため、海や山、高原などの行楽地が賑わう。
古くは七月と書いて「ふみつき」と読ませたという。
陰暦の7月は「文月」の異称で、秋季に分類される。
〈比較〉
【歳時記・夏】 水無月 みなづき
【歳時記・秋】 文月 ふみつき
〈例句〉
夕月に七月の蝶のぼりけり 石鼎
(ゆふづきに しちぐわつのてふ のぼりけり)
七月や既にたのしき草の丈 草城
(しちぐわつや すでにたのしき くさのたけ)
七月の青嶺まぢかく熔鉱炉 誓子
(しちぐわつの あをねまぢかく ようくわうろ)
桐売つて七月の雲ただ真白 斌雄
(きりうつて しちぐわつのくも ただましろ)
七月の童糞せり道の上 波郷
(しちぐわつの わらべまりせり みちのうへ)
七月や子を抱きてはや黍なびく 澄雄
(しちぐわつや こをだきてはや きびなびく)
ちちははの忌をみどり濃き七月に 眸
(ちちははの きをみどりこき しちぐわつに)
〈参考資料〉
・山本健吉 『山本健吉 基本季語五〇〇選』 講談社
・飯田龍太、稲畑汀子ほか 『カラー版 新日本大歳時記 愛蔵版』 講談社
・稲畑汀子 『ホトトギス新歳時記 第三版』 三省堂
・飯田蛇笏、富安風生ほか 『平凡社俳句歳時記 夏』 平凡社
・茨木和生、宇多喜代子ほか 『新版 角川俳句大歳時記 夏』 KADOKAWA