【歳時記・夏】 ハンカチ はんかち
ハンカチ はんかち
〈傍題〉
ハンカチーフ ・ ハンケチ ・ 汗拭ひ あせぬぐい(あせぬぐひ) ・ 汗手拭い あせてぬぐい(あせてぬぐひ) ・ 汗拭き あせふき ・ 汗巾 あせふき ・ 汗のごい あせのごい
一年中用いられるものだが、夏の汗を拭うというのが俳句の季語としての本意。
「汗拭ひ」を主季語とする歳時記もある。
〈比較〉
なし
〈例句〉
富士山や遠近人の汗拭ひ 素堂
(ふじさんや をちこちびとの あせぬぐひ)
青空と一つ色なり汗ぬぐひ 一茶
(あをぞらと ひとついろなり あせぬぐひ)
汗のハンケチ友等貧しさ相似たり 波郷
(あせのはんけち ともらまづしさ あひにたり)
半巾の一沫の穢も許さざる たかし
(はんけちの いちまつのよごれも ゆるさざる)
ハンカチの汚るるためにある白さ 中正
(はんかちの よごるるために あるしろさ)
一日の始めのハンカチーフかな 信
(いちにちの はじめの はんかちーふかな)
一日の疲れハンカチーフにあり 房子
(いちにちのつかれ はんかちーふにあり)
ハンカチを小さく使ふ人なりけり 未知子
(はんかちを ちひさくつかふ ひとなりけり)
〈参考資料〉
・飯田龍太、稲畑汀子ほか 『カラー版 新日本大歳時記 愛蔵版』 講談社
・稲畑汀子 『ホトトギス新歳時記 第三版』 三省堂
・飯田蛇笏、富安風生ほか 『平凡社俳句歳時記 夏』 平凡社
・茨木和生、宇多喜代子ほか 『新版 角川俳句大歳時記 夏』 KADOKAWA