【歳時記・夏】 六月 ろくがつ(ろくぐわつ)
六月 ろくがつ(ろくぐわつ)
〈傍題〉
六月来る ろくがつくる(ろくぐわつくる)
陽暦の6月。仲夏の時候。6月21日頃に夏至を迎える。
緑は濃くなり、鮎漁が始まり、梅雨を迎え、麦秋から田植えの時期となる。
例句に挙げた芭蕉の六月の古句は、夏季ではあるが陰暦の六月であり、実際は七月/水無月をさす。
〈比較〉
【歳時記・夏】 皐月 さつき
〈例句〉
六月や峯に雲置くあらし山 芭蕉
(ろくぐわつや みねにくもおく あらしやま)
六月を奇麗な風の吹くことよ 子規
(ろくぐわつを きれいなかぜの ふくことよ)
六月の人居ぬ山の大平ら 蛇笏
(ろくぐわつの ひとゐぬやまの おほたひら)
六月の氷菓一盞の別れかな 草田男
(ろくぐわつの ひようくわいつさんの わかれかな)
六月の風にのりくる瀬音あり 万太郎
(ろくぐわつの かぜにのりくる せおとあり)
六月の川音高き思川 夜半
(ろくぐわつの かはおとたかき おもひがは)
六月の女すわれる荒筵 波郷
(ろくぐわつの をんなすわれる あれむしろ)
六月や雲居る山へ杖をひく 化石
(ろくぐわつや くもゐるやまへ つゑをひく)
六月の花のさざめく水の上 龍太
(ろくぐわつの はなのさざめく みづのうへ)
六月や身をつつみたる草木染 香代子
(ろくぐわつや みをつつみたる くさきぞめ)
〈参考資料〉
・飯田龍太、稲畑汀子ほか 『カラー版 新日本大歳時記 愛蔵版』 講談社
・稲畑汀子 『ホトトギス新歳時記 第三版』 三省堂
・飯田蛇笏、富安風生ほか 『平凡社俳句歳時記 夏』 平凡社
・茨木和生、宇多喜代子ほか 『新版 角川俳句大歳時記 夏』 KADOKAWA