【歳時記・春】 四月 しがつ(しぐわつ)
四月 しがつ(しぐわつ)
〈傍題〉
四月来る しがつくる(しぐわつくる)
太陽暦の4月。百鳥は囀り、桃や桜をはじめとする百花が咲く。
晩春といっても春の盛りを感じさせられる。
学校の新学期や企業の新年度を迎える節目の月でもある。
曇りの日が多く、強い風や雨も多いとされる。
〈比較〉
【歳時記・春】 弥生 やよい(やよひ)
〈例句〉
山葵田の水音しげき四月かな 水巴
(わさびだの みづおとしげき しぐわつかな)
妹の嫁ぎて四月永かりき 草田男
(いもうとの とつぎてしぐわつ ながかりき)
晒布うてば四月の山辺応へけり 蛇笏
(さらしうてば しぐわつのやまべ こたへけり)
四月始まる豁然と田がひらけ 遷子
(しぐわつはじまる くわつぜんと たがひらけ)
友偉く見えて四月の村役場 千空
(ともえらく みえてしぐわつの むらやくば)
蝶とらへやすし四月の泉辺は 春壺
(てふとらへやすし しぐわつの いづみべは)
普請場の木ツ葉とびくる四月かな 林蟲
(ふしんばの こつぱとびくる しぐわつかな)
〈参考資料〉
・飯田龍太、稲畑汀子ほか 『カラー版 新日本大歳時記 愛蔵版』 講談社
・稲畑汀子 『ホトトギス新歳時記 第三版』 三省堂
・飯田蛇笏、富安風生ほか 『平凡社俳句歳時記 春』 平凡社
・茨木和生、宇多喜代子ほか 『新版 俳句大歳時記 春』 KADOKAWA