【歳時記・夏】 夏至 げし

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夏の太陽と碧空

夏至 げし

〈傍題〉

夏至の日 げしのひ ・ 夏至の雨 げしのあめ ・ 夏至の夜 げしのよる ・ 夏至夜風 げしよかぜ ・ 夏至白夜 げしびやくや

二十四節気のひとつで、陽暦では6月21日頃。1年で最も昼が長く、夜が短い日。
二十四節気の各節気をそれぞれ3つに分けた七十二侯(しちじゅうにこう)において、夏至は初候「乃東枯(なつかれくさかるる:6月21日~6月26日頃)」、次候「菖蒲華(あやめはなさく:6月27日~7月1日頃)」、末候「半夏生(はんげしょうず:7月2日~7月6日頃)」に分けられており、末候の「半夏生」も「夏至」と同様に独立した季語として扱われている。

〈比較〉

【歳時記・夏】 半夏生 はんげしょう(はんげしやう)
【歳時記・夏】 白夜 びゃくや/はくや

【歳時記・冬】 冬至 とうじ

〈例句〉

夏至白夜濤たちしらむ漁港かな 蛇笏
(げしびやくや(はくや) なみたちしらむ ぎよかうかな)

心澄めば怒涛ぞきこゆ夏至の雨 亜浪
(こころすめば どたうぞきこゆ げしのあめ)

山の木の葉音さやかや夏至の雨 七菜子
(やまのきの はおとさやかや げしのあめ)

暮れなづむ夏至ビフテキの血を流す 鉄之介
(くれなづむげし びふてきの ちをながす)

夏至ゆうべ地軸の軋む音すこし 悟朗
(げしゆうべ ちぢくのきしむ おとすこし)

夏至の日の手足あかるく目覚めけり 眸
(げしのひの てあしあかるく めざめけり)

夏至の月やうやく光得つつあり 中子
(げしのつき やうやくひかり えつつあり)

夏至の夜の港に白き船数ふ 日郎
(げしのよの みなとにしろき ふねかぞふ)

〈参考資料〉

・飯田龍太、稲畑汀子ほか 『カラー版 新日本大歳時記 愛蔵版』 講談社
・稲畑汀子 『ホトトギス新歳時記 第三版』 三省堂
・飯田蛇笏、富安風生ほか 『平凡社俳句歳時記 夏』 平凡社
・茨木和生、宇多喜代子ほか 『新版 角川俳句大歳時記 夏』 KADOKAWA
・『デジタル大辞泉』 小学館

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