【歳時記・冬】 初霜 はつしも
初霜 はつしも
〈傍題〉
なし
その冬初めておりる霜のこと。
〈比較〉
〈例句〉
初霜や菊冷え初むる腰の綿 芭蕉
(はつしもや きくひえそむる こしのわた)
初霜を畦に置たる水田かな 二葉
(はつしもを あぜにおきたる みづたかな)
初しもや麦まく土のうら表 北枝
(はつしもや むぎまくつちの うらおもて)
はつしもや飯の湯あまき朝日和 樗良
(はつしもや めしのゆあまき あさびより)
はつ霜やかた衣かけてさす小舟 一茶
(はつしもや かたぎぬかけて さすこぶね)
一つ葉に初霜の消えのこりたる 虚子
(ひとつばに はつしもの きえのこりたる)
初霜や物干竿の節の上 荷風
(はつしもや ものほしざをの ふしのうへ)
初霜やひとりの咳はおのれ聴く 草城
(はつしもや ひとりのせきは おのれきく)
初霜や斧を打ちこむ樹の根ッこ 不死男
(はつしもや をのをうちこむ きのねつこ)
初霜のあるかなきかを掃きにけり 狩行
(はつしもの あるかなきかを はきにけり)
初霜の箒目渦の紋様に 幸子
(はつしものはうきめ うづのもんように)
初霜や底より湧いて鯉の色 直人
(はつしもや そこよりわいて こひのいろ)