【歳時記・秋】 桃 もも
桃 もも
〈傍題〉
桃の実 もものみ ・ 毛桃 けもも ・ 白桃 はくとう(はくたう) ・ 黄桃 おうとう(わうたう) ・ 水蜜桃 すいみつとう(すいみつたう) ・ 天津桃 てんしんもも、てんしんとう(てんしんたう) ・ ネクタリン ねくたりん ・ ずばい桃 ずばいもも(づばいもも) ・ 油桃 ゆとう(ゆたう)
〈比較〉
〈例句〉
白桃をよよとすすれば山青き 風生
(はくたうを よよとすすれば やまあをき)
熟れ桃や左右の大気の息づかひ 草田男
(うれももや さうのたいきの いきづかひ)
白桃に入れし刃先の種を割る 多佳子
(はくたうに いれしはさきの たねをわる)
白桃や心たかむく夜の方 波郷
(はくたうや こころかたむく よるのかた)
白桃の曇るがごとく泣きにけり 楸邨
(はくたうの くもるがごとく なきにけり)
中年や遠く実れる夜の桃 三鬼
(ちゆうねんや とほくみのれる よるのもも)
もぎたての白桃全面にて息す 綾子
(もぎたての はくたう ぜんめんにていきす)
〈参考資料〉
・山本健吉 『山本健吉 基本季語五〇〇選』 講談社
・飯田龍太、稲畑汀子ほか 『カラー版 新日本大歳時記 愛蔵版』 講談社
・稲畑汀子 『ホトトギス新歳時記 第三版』 三省堂
・飯田蛇笏、富安風生ほか 『平凡社俳句歳時記 秋』 平凡社