【歳時記・秋】 楓 かえで(かへで)
楓 かえで(かへで)
〈傍題〉
鶏冠木 かえで(かへで) ・ 槭 かえで(かへで) ・ かえるで(かへるで) ・ 錦草 にしきぐさ ・ 山紅葉 やまもみじ(やまもみぢ) ・ かえで紅葉 かえでもみじ(かへでもみぢ) ・ いろはもみじ(いろはもみぢ) ・ いろはかえで(いろはかへで) ・ 三つ手かえで みつでかえで(みつでかへで) ・ 一つ葉かえで ひとつばかえで(ひとつばかへで) ・ 高尾紅葉 たかおもみじ(たかをもみぢ) ・ 高尾かえで たかおかえで(たかをかへで) ・ 縮緬かえで ちりめんかえで(ちりめんかへで) ・ にれにしき ・ 羽団扇かえで はうちわかえで(はうちはかへで) ・ 名月かえで(めいげつかへで) ・ 麻の葉かえで あさのはかえで(あさのはかへで) ・ 板屋かえで いたやかえで(いたやかへで) ・ 唐かえで とうかえで(たうかへで) ・ 峰かえで みねかえで(みねかへで) ・ 紅楓 こうふう
カエデ科カエデ属の植物の総称。葉が掌状で蛙の手に似ているため「かえるで」の古名がある。
代表種はイロハモミジで「いろは楓」の別名があり、大和の龍田川(たつたがわ)のほか、京都の高尾山が名所であるため「高尾楓」ともよばれる。単に「紅葉」として詠まれることも多い。
〈比較〉
【歳時記・秋】 紅葉 もみじ(もみぢ)
【歳時記・秋】 紅葉狩 もみじがり(もみぢがり)
〈例句〉
横わたす柄杓の露や錦草 素牛
(よこわたす ひしやくのつゆや にしきぐさ)
北国の手染は早し錦艸 露川
(きたぐにの てぞめははやし にしきぐさ)
紅楓深し南し西す水の隅 几董
(こうふうふかし みなみしにしす みづのすみ)
楓橋の乏しき水に筏かな 五空
(かへでばしの とぼしきみづに いかだかな)
沼楓色さす水の古りにけり 亜浪
(ぬまかへで いろさすみづの ふりにけり)
〈参考資料〉
・山本健吉 『山本健吉 基本季語五〇〇選』 講談社
・飯田龍太、稲畑汀子ほか 『カラー版 新日本大歳時記 愛蔵版』 講談社
・飯田蛇笏、富安風生ほか 『平凡社俳句歳時記 秋』 平凡社
・茨木和生、宇多喜代子ほか 『新版 角川俳句大歳時記 秋』 KADOKAWA