【歳時記・夏】 五月 ごがつ(ごぐわつ)

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エゴノキの新芽の写真

五月 ごがつ(ごぐわつ)

〈傍題〉

聖五月 せいごがつ(せいごぐわつ) ・ 聖母月 せいぼづき ・ マリアの月 まりあのつき ・ 五月来る ごがつくる(ごぐわつくる)

月の初旬には立夏となる。新緑の美しい時期。端午の節句などの行事もある。
旧暦の5月は1カ月遅れ、「皐月(さつき)」と記して区別する。
カトリックでは5月1日が聖母マリアの祝日で、この月は聖母を讃える月とされている。

〈比較〉

【歳時記・夏】 卯月 うづき

〈例句〉

うすうすと窓に日のさす五月かな 子規
(うすうすと まどにひのさす ごぐわつかな)

門川に流れ藻絶えぬ五月かな 碧梧桐
(かどがはに ながれもたえぬ ごぐわつかな)

五月の風大空を吹き路地を吹き 風生
(ごぐわつのかぜ おほぞらをふき ろぢをふき)

噴水の玉とびちがふ五月かな 汀女
(ふんすいの たまとびちがふ ごぐわつかな)

目つむりていても吾を統ぶ五月の鷹 修司
(めつむりてゐても あをすぶ ごぐわつのたか)

藍藍と五月の穂高雲をいづ 蛇笏
(あをあをと ごぐわつのほたか くもをいづ)

木々の香にむかひて歩む五月来ぬ 秋櫻子
(きぎのかに むかひてあゆむ ごぐわつきぬ)

少女二人五月の濡れし森に入る 三鬼
(せうぢよふたり ごぐわつのぬれし もりにいる)

子の髪の風に流るる五月来ぬ 林火
(このかみの かぜにながるる ごぐわつきぬ)

五月の夜未来ある身の髪匂ふ 六林男
(ごぐわつのよ みらいあるみの かみにほふ)

鳩踏む地かたくすこやか聖五月 静塔
(はとふむち かたくすこやか せいごぐわつ)

子に五月手が花になり鳥になり 眸
(こにごぐわつ てがはなになり とりになり)

〈参考資料〉

・飯田龍太、稲畑汀子ほか 『カラー版 新日本大歳時記 愛蔵版』 講談社
・稲畑汀子 『ホトトギス新歳時記 第三版』 三省堂
・飯田蛇笏、富安風生ほか 『平凡社俳句歳時記 夏』 平凡社
・茨木和生、宇多喜代子ほか 『新版 角川俳句大歳時記 夏』 KADOKAWA

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