【歳時記・秋】 杜鵑草 ほととぎす
杜鵑草 ほととぎす
〈傍題〉
時鳥草 ほととぎすそう(ほととぎすさう) ・ ほととぎすそう(ほととぎすさう) ・ 油点草 ゆてんそう(ゆてんさう)
ユリ科の多年草。山林に自生する。
花にある紅紫色の斑点が時鳥の胸の毛に似ているため、この名がつけられた。
油点草は、漢名。
〈比較〉
〈例句〉
渓の湯の石段せまし油点草 冬二
(たにのゆの いしだんせまし ゆてんさう)
殉教の土の暗さに時鳥草 比奈夫
(じゆんけうの つちのくらさに ほととぎす)
林中に雨の音満つ油点草 敏郎
(りんちゆうに あめのおとみつ ゆてんさう)
地に伏して咲きふえてゆく時鳥草 甲子雄
(ちにふして さきふえてゆく ほととぎす)
杜鵑草人恋ふ色に咲きいでし 幸子
(ほととぎす ひとこふいろに さきいでし)
幾度も雨に倒れし油点草 汀子
(いくたびも あめにたふれし ゆてんさう)
〈参考資料〉
・飯田龍太、稲畑汀子ほか 『カラー版 新日本大歳時記 愛蔵版』 講談社
・稲畑汀子 『ホトトギス新歳時記 第三版』 三省堂
・飯田蛇笏、富安風生ほか 『平凡社俳句歳時記 秋』 平凡社
・茨木和生、宇多喜代子ほか 『新版 角川俳句大歳時記 秋』 KADOKAWA