【歳時記・冬】 十一月 じゅういちがつ(じふいちぐわつ)

最終更新日

十一月 じゅういちがつ(じふいちぐわつ)

〈傍題〉

なし

陽暦の11月のこと。

〈比較〉

【歳時記・冬】 神無月 かんなづき

〈例句〉

日暮見ぬ十一月の道の辺に 石鼎
(ひぐれみぬ じふいちぐわつの みちのべに)

茨の実琥珀十一月終る 青邨
(いばらのみこはく じふいちぐわつをはる)

謙虚なる十一月を愛すなり 梧逸
(けんきよなる じふいちぐわつを あいすなり)

あたたかき十一月もすみにけり 草田男
(あたたかき じふいちぐわつも すみにけり)

少女の素足路次へすつとぶ十一月 登四郎
(せうぢよのすあし ろしへすつとぶ じふいちぐわつ)

曇りぐせついて十一月に入る 囀城
(くもりぐせついて じふいちぐわつにいる)

峠見ゆ十一月のむなしさに 綾子
(たうげみゆ じふいちぐわつの むなしさに)

露か雨か十一月ははじまりぬ 波郷
(つゆかあめか じふいちぐわつは はじまりぬ)

牛減りて十一月の牧となる 峠
(うしへりて じふいちぐわつの まきとなる)

巌苔に十一月の水遊ぶ 麥丘人
(いはごけに じふいちぐわつの みづあそぶ)

鴨汁にごばう削ぐこと十一月 純子
(かもじるに ごばうそぐこと じふいちぐわつ)

指輪買ふ十一月の雨色の 国子
(ゆびわかふ じふいちぐわつの あめいろの)

〈参考資料〉

・山本健吉 『山本健吉 基本季語五〇〇選』 講談社
・飯田龍太、稲畑汀子ほか 『カラー版 新日本大歳時記 愛蔵版』 講談社
・飯田蛇笏、富安風生ほか 『平凡社俳句歳時記 冬』 平凡社
・平井照敏編 『新歳時記 冬 軽装版』 河出書房新社

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