【歳時記・秋】 干柿 ほしがき

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干柿 ほしがき

〈傍題〉

甘干 あまぼし ・ 釣柿 つりがき ・ 白柿 しろがき ・ 枯露柿ころ柿 ころがき ・ 柿干す かきほす ・ 柿吊す かきつるす ・ 吊し柿 つるしがき

色づいた渋柿をとり皮を剥き、縄で蔕(へた)を固定して吊るし干す。何連も干している様子を「柿すだれ」とよぶことも。吊るす代わりに幾顆かを串にさして干した「串柿」は、主に正月用とされる。

〈比較〉

【歳時記・秋】 柿 かき

【歳時記・夏】 青柿 あおがき(あをがき)

〈例句〉

釣柿や障子にくるふ夕日影 丈草
(つりがきや じやうじにくるふ ゆふひかげ)

甘干に軒も余さず詩仙堂 青々
(あまぼしに のきもあまさず しせんだう)

柿干すや釣瓶結びに二つづづ 秋皎
(かきほすや つるべむすびに ふたつづつ)

村人に倣ひ暮しぬ吊し柿 たかし
(むらびとに ならひくらしぬ つるしがき)

吊柿鳥に顎なき夕べかな 晴子
(つるしがき とりにあごなき ゆふべかな)

その端に今日吊るしたる柿の色 満峰
(そのはしに けふつるしたる かきのいろ)

〈参考資料〉

・山本健吉 『山本健吉 基本季語五〇〇選』 講談社
・飯田龍太、稲畑汀子ほか 『カラー版 新日本大歳時記 愛蔵版』 講談社
・稲畑汀子 『ホトトギス新歳時記 第三版』 三省堂
・飯田蛇笏、富安風生ほか 『平凡社俳句歳時記 秋』 平凡社
・茨木和生、宇多喜代子ほか 『新版 角川俳句大歳時記 秋』 KADOKAWA

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