【歳時記・秋】 稲 いね
稲 いね
〈傍題〉
稲 しね ・ 富草 とみくさ ・ 粳 うるち ・ 糯 もち ・ 稲筵 いなむしろ ・ 稲葉 いなば ・ 粳稲 うるしね ・ 粳稲 もちいね ・ もちごめ ・ 麝香米 じゃこうまい(じやかうまい) ・ 田の実 たのみ ・ 水影草 みずかげぐさ(みづかげぐさ) ・ 稲の秋 いねのあき ・ 稲の波 いねのなみ ・ 稲の秀 いねのほ ・ 八束穂 やつかほ ・ 稲の香 いねのか ・ いな ・ たのみ ・ 陸稲 おかぼ(をかぼ)
〈比較〉
【歳時記・秋】 稲刈 いねかり
〈例句〉
里人は稲に歌よむ都かな 芭蕉
(さとびとは いねにうたよむ みやこかな)
海にそふ北に山なし稲百里 北枝
(うみにそふ きたにやまなし いねひやくり)
握り見て心に応ふ稲穂かな 虚子
(にぎりみて こころにこたふ いなほかな)
稲負ふや左右にはしる山の翼 楸邨
(いねおふや さゆうにはしる やまのよく)
中学生朝の眼鏡の稲に澄み 草田男
(ちゆうがくせい あさのめがねの いねにすみ)
〈参考資料〉
・山本健吉 『山本健吉 基本季語五〇〇選』 講談社
・飯田龍太、稲畑汀子ほか 『カラー版 新日本大歳時記 愛蔵版』 講談社
・稲畑汀子 『ホトトギス新歳時記 第三版』 三省堂
・飯田蛇笏、富安風生ほか 『平凡社俳句歳時記 秋』 平凡社
・茨木和生、宇多喜代子ほか 『新版 角川俳句大歳時記 秋』 KADOKAWA