【歳時記・秋】 星月夜 ほしづきよ

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星月夜 ほしづきよ

〈傍題〉

ほしづくよ ・ 星明り ほしあかり

月がなく、星の明かりだけで明るい秋の夜をいう。主に天の川の星明かりをいうとする歳時記もある。
「星月夜」は、鎌倉の枕詞でもあった。

〈比較〉

【歳時記・秋】 天の川 あまのがわ(あまのがは)

〈例句〉

空色にそむる小紋か星月夜 歌誰
(そらいろに そむるこもんか ほしづきよ)

われの星燃えてをるなり星月夜 虚子
(われのほし もえてをるなり ほしづきよ)

星月夜岡につつ立つ武者一騎 龍之介
(ほしづきよ おかにつつたつ むしやいつき)

星月夜われらは富士の蚤しらみ 静塔
(ほしづきよ われらばふじの のみしらみ)

四囲の山高しますます星月夜 蚊杖
(しゐのやまたかし ますますほしづきよ)

星月夜罪なきものは寐の深く 蓼汀
(ほしづきよ つみなきものは ねのふかく)

寝に戻るのみの鎌倉星月夜 芳次郎
(ねにもどるのみのかまくら ほしづきよ)

ローマ軍近づくごとし星月夜 悟朗
(ろーまぐん ちかづくごとし ほしづきよ)

ことごとく出て相触れず星月夜 狩行
(ことごとく でてあひふれず ほしづきよ)

夜風ふと匂ふ潮の香星月夜 汀子
(よかぜふと にほふしほのか ほしづきよ)

豪雨止み山の裏まで星月夜 日郎
(がううやみ やまのうらまで ほしづきよ)

〈参考資料〉

・飯田龍太、稲畑汀子ほか 『カラー版 新日本大歳時記 愛蔵版』 講談社
・稲畑汀子 『ホトトギス新歳時記 第三版』 三省堂
・飯田蛇笏、富安風生ほか 『平凡社俳句歳時記 秋』 平凡社
・茨木和生、宇多喜代子ほか 『新版 角川俳句大歳時記 秋』 KADOKAWA

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